貴方がインプラント治療を余儀なくされているのはなぜでしょう。歯根の破折や、重度の歯周病など、抜歯の理由はいくつか考えられます。このとき、大切なことは「インプラントに変えればそれでいいや」とすぐに楽観視しないことです。なぜなら、原因によってはインプラントに替えてからも再発する恐れがあるためです。
当院では、インプラントを長持ちさせるために必要なことをお教えします。それを守っていただき、さらに定期検診にお越しください。そうすれば、インプラントがいつまでも楽しいお食事と健康を可能にしてくれるでしょう。
インプラントを埋入したら、全くお口のトラブルから解放されると考えられている方はいらっしゃいませんか?実はインプラントはむし歯にこそならないものの、歯周病原細菌には弱いのです。その理由は、この細菌がインプラント周囲に溜まった歯垢の中に歯肉に停滞し、炎症を起こすことがあるためです。これをインプラント周囲炎といいます。最近のレビューでは、インプラント周囲炎の有病率は19%~65%であると報告されています(W.V. Giannobile and N.P. Lang Journal of Dental Research, 95(1), 5-6, 2016より引用)。
インプラントの場合は、細菌に抵抗する歯周組織がないため、進行も早く、放っておくと脱落します。インプラントをいつまでも保つには、歯垢を溜めないこまめなブラッシングが大切です。そのため、歯周病で歯を失ってしまった人は、天然歯のとき以上にインプラントを大事にケアしなくてはいけません。
インプラント付近の粘膜に歯垢が溜まり、炎症を起こすことをインプラント周囲炎と言います。炎症が起きると、インプラントを支えていた骨の吸収が起きます。インプラントの周囲を掃除し、綺麗にしてもまだ治らない場合は、一度インプラントを撤去することもあります。骨の吸収があまり起こっていないうちに再度埋入すれば、再びインプラントが植立出来ます。
天然歯の歯周病の場合は、病原菌を除けば健康な状態に戻ります。しかし、インプラント周囲炎の場合はインプラントが異物であるため、一度発症すると異物反応が起きてしまいます。歯周病原細菌の温床となる歯石、歯垢が溜まらないようにしましょう。